アシストという劇場に舞い降りた黒騎士
こんばんはー。
今日は久しぶりに美容室に行きました!
外出自粛で、ボサボサ頭で過ごしてきたけど、
女子にありがちな。(笑)
さすがに我慢の限界でして。人との触れ合いも欲しかったし…
家に同居人がいるじゃないかって?
男の人って、いても会話にならないんですよ。
世の中の主婦はみんな同じこと思ってると思ってるんだけど、
あ、ゲイ友だちは別で、
特にメタファーは。アタマ悪いので。
そろそろ、会話になる人と話したーい!と思って。
今日行った美容室は、商店街の中にある地元密着店ですが、
近所の人が、「今日いけるー?」ってフラリと来たり
おばちゃん美容師さんがテレビの話してたり、
嗚呼?、人の触れ合いがここにッ!!
って思いました。
自粛が解除された県では、友達と会えていいなー!
今日のポポちゃん。
自転車買おうかなーと思って見てたら、こんな電動バイクが。
これね、実物見たら、すごーく小さかった!
チャリンコと変わらない!
欲しいが高い……
これもね、、テレビショッピングで見つけたんだけど、「あれっ」て違和感感じて
理由は、売り手がおばちゃんだったから。
普通は美容系の人って「美人」なんですが、ホントに普通のオバちゃん。
「何だこの人」と逆に興味がわいて。
で、見ていると、オバちゃんは研究者で、
「長年研究ばかりしてきたけど、そろそろ自分の肌ヤバい」と思って作ったのが、これなんだとか!
よく見れば、お肌はツヤツヤでしたよ!すごい!
では、また明日?!
そしてアシストしかいなくなった
色々とフィギュアの情報が上がってきているので、パソコンがないからなんて言ってられないなということで、週末だけパソコンを繋ぎ変えしました(笑)
会社のパソコンも私のパソコンも、21インチのデカいデスクトップパソコンなので、机の上にはどちらかしか置けないんですよ
動かすのも大変ですし
いやもう、Twitterとかやった方がいいのかしらね?
というわけで、今回は新しいルールについてです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
5/11にフィギュアのルール改定が発表されました。
本来なら選手の皆さんも新しいシーズンに向けて、このルールを熟読して構想を練っていきたいところでしょうが、現状ではどうなるんでしょうね。
で、今回のルールについて思ったことを書いていきたいと思います。
まず、ちょっとびっくりしたのが4Lz、4F、4Loの点数が同じになったこと。
これは、点数を決めている人達にとって4回転というのがいかに未知のものであるかが窺い知れるエピソードですね。
今まで難易度をダブルかトリプルの感覚で決めていたため、回転が上がると難易度が変わるということが、理事たちの肌感覚で理解できていなかったんでしょう。
回転数が上がるとループはどんどん難しくなるとどの選手も言っていますので、ループの点数が上がったのは納得できます。
ルッツとフリップについては私も以前書いたことがありますが、これは本当に得手不得手の問題であってジャンプの難易度の問題じゃないんでしょうね。
それは、ループやフリップよりルッツの成功者が格段に多いことからも理解できます。
点数を同じにしたということはもう種類による点差は無くなるわけですから、これからは選手の跳びやすいジャンプに流れていくのは明白です。
ということは、2年後くらいに一番跳んでる選手が少ないジャンプが一番難しいジャンプということになるんじゃないでしょうか(笑)
点数に関していえば、結弦くんはルッツが0.5点下がってループが0.5点上がったのでプラマイゼロです。
ニュースなどでは結弦くんに有利などと書かれていましたが、決してそんなことはありません。
まあ、ルッツだけが武器だった選手はGOEの係数も下がりますからちょっとダメージがあるかもしれないですけどね。
ただ細かいことを言うなら、上で回っているルッツと下で回っているルッツでは難しさも危険度も格段に違うので、4Lz(上)は11.5点くらいでもいいと思いますけどね(笑)
4Aの基礎点については以前から低すぎると問題視はされていました。
以前は、4Lzが13.6で4Aが15点だったんですけど、結弦くんが挑戦を口にし始めたらスコーンと下げられたんですよ。
ま、これはつまり「4Aはマジでヤバイからみんな跳ばないで!」というISUの意思表示なんだと思います(笑)
それ以前にも練習で跳んでいた選手は何人かいて、その皆さんが揃って4Aの危険性を口にしていましたから、前跳びのエッジジャンプというそれでなくても危険なジャンプなのに、基礎点が高いと一発逆転の大きな武器として遮二無二入れてくる選手が増えるかもしれないということも危惧したんだと思います。
実際ルッツの成功者が多かったのは得点が高かったからかもしれませんし、高難度ジャンプで得点を稼ごうとするより完成度を上げて美しい演技をするようにというのがISUの意図するところなんでしょうしね。
でも結弦くんが4Aに挑むのは、無謀な賭けではなく「夢の実現」ですからね。
そこはもう点数なんか関係ないんだと思います。
とはいえ、アクセルマスターの結弦くんですらあれだけ苦戦している4Aですから、結弦くんが決めた後、果たして続く選手が現れるのかどうか。
結弦くんの動画を解析すれば原理はすぐ理解できるでしょうが、それをやる価値があの基礎点で感じられるかどうかが問題です。
幻の大技で終わるのか、羽生メソッドが広まって誰でも4Aを跳ぶ時代になるのか…。
今のままだと私は前者になるような気がします(笑)
あと、色々とSNSをざわつかせていたのがチートジャンプの明文化でしょうか。
まあ、「プレロテ」と「フルブレード」については私も17年くらいから定期的に書いてきましたのであまり詳しく書く気もなかったのですが、ちょっと誤解もあるようなので少しだけ書きたいと思います。
まず、チート(ズルイ、誤魔化した)ジャンプの代名詞のように言われている「プレロテ」と「フルブレード」ですが、この名前だけで「ズル!」と決めつけてしまうのは間違いです。
なぜなら、「プレローテーション」というのはジャンプを跳ぶ前の予備動作のようなものなので、プレロテをしないジャンプは基本的にはないからです。
そこにあるのはあくまで「程度の問題」です。
プレロテはどんなジャンプにも多かれ少なかれあります。
あくまで私のイメージですが、トウ系ジャンプで90度、エッジ系ジャンプで180度くらいのプレロテは普通にあり得ます。
問題は、トウ系ジャンプなのに180度もプレロテして、トゥループがアクセルみたいに前向き(トゥアクセル)になるなど「過剰な」「必要以上の」予備回転をしているのがイカンということなのです。
ただプレロテとひとくくりに言ってしまうと、必要な動きまで全部「インチキ!」と言い出す人たちが現れるので、そこはやっぱり
「必要以上の回転を氷の上で回ってから跳び上がるジャンプ」
だけがチートジャンプに当たるんだということを理解する必要があると思います。
そういったことを理解しないまま選手を貶めようとするから
「ほら!こいつだってこんなにプレロテしてるじゃない!」
と、ループの動画を上げるスカポンタンが現れたりするわけです(笑)
大学教授ですらエッジジャンプとトゥジャンプの高さを比べて一般人をミスリードしようとするわけですからね。
そこは常に「それは正しいのかな?」と一呼吸おいて確認する必要があるということです。
◆ジャンプは必ずプレロテをします。
◆回る距離はジャンプによって適正値が違います。
◆減点対象となるのは過剰に、必要以上に回っているジャンプのみです。
これだけは頭に入れておく必要があると思います。
そういう意味では結弦くんの「下で回る」というのは言い得て妙だなと感心してしまいますね。
フルブレードもやっぱり程度問題というか、考え方の問題のように思います。
以前書いた時も色々な選手のフルブレードを見たのですが、筋力の問題か、以前から女子にこれはとても多かったんですね。
そして、これは考えようによっては「ジャンプの悪い癖」で片づけられるレベルかも知れないなと、そう思う部分もあったんです。
何故かというと、大半の選手の「フルブレ」は、決してジャンプが有利にならないからなんです。
むしろかかとが落ちるのはジャンプの高さが犠牲になるんですね。
これは自分で跳んでみると一目瞭然なんですが、両足を軽く曲げて上に跳び上がろうとした時、つま先は自然と下に向くんですよ。
で、かかとを地面につけている時と同じ様に、90度に保ったまま跳び上がろうとすると、全く上に上がらないんです。
トゥでアシストするジャンプなのに、トゥの力が伝わらないんです。
つまり、上に跳ぶならエッジで跳んでは高さが出せないんです。
トゥで跳ばなきゃダメなんです。
じゃあなぜ多くの選手がフルブレードになるかというと、高く跳べないのを早く回ることでカバーしようとして、踏切り姿勢に入ると同時に肩を回し始めるため体が後ろを向いてかかとが落ちるんだと思います。
跳び上がる前に体をねじったらダメなんです。
バトン爺が「雑巾を絞るようなジャンプ」と言っていましたが、体をねじって斜め後方に意識を向けると、意図しなくてもブレードは下がってしまいまうんだと思います。
これもズルというより「稚拙な踏切り」なだけです。
なので私は長い間「ここはGOEで差別化すべき」と書いてきました。
「稚拙な踏切り」は-2~-3のマイナスなのですが、ISUは何故かそこは今まで目をつぶっていたんですよね。
ここ数年、明らかに踏切でトゥではなくエッジをつけそのままぐるっと回転し、ほぼ1回転してから上に跳び上がる選手が増えてきました。
トゥを突いたのちかかとが落ちてしまうのではなく、最初からエッジを寝かせるように氷につけ、そのまま回転するのです。
女子選手のフルブレとは明らかに違う形態の違うフルブレードですが、離氷についてはノーマルスピードでしか見ないジャッジは長くこれに触れてきませんでした。
そして、それが減点されるどころか加点が付くことが分かってきたためか、高難度ジャンプを同じように「突いたトゥをぐるっと回して飛び上がるジャンプ」が急増してきました。
これはハビが「着氷を厳しく取り締まるなら離氷も見ろよ」と言ったことからも分かるように、選手達の間でも問題視する流れはあったのだと思います。
それにやっと手が付けられたという感じでしょうか。
最近では最初から下回りを教えるコーチも現れたという話ですし、ISUとしてもこれは流石に看過できなくなったのかもしれません。
ただ、これをどのように点数に反映させるのか、私はまだ楽観視はしていません。
何故なら、「稚拙な踏切り」はマイナスするという項目があったにもかかわらず長年それを取り上げてこなかったジャッジ達が、何をもって判断し点数に落とし込むのかが不明なのです。
両足着氷でも回転不足でも見逃してしまうパネルジャッジに、離氷は判断できません。
そうなるとテクニカルで判断するしかありませんが、ジャンプにマークもつかないならそれをパネルジャッジに伝える術はありません。
これはどうやってチートジャンプの減点をしていくのか、運用を見ていかなければ何とも判断することはできません。
シリアスエラーもそうですけど、その点数に該当するのは結弦くんだけで、ほかの選手はそこまでの点数に到達していないのだから上限の点数を決めることに意味はあるのか?と疑問に思っていたら、やっぱりシリアスエラーを取られていると判断できたのは結弦くんの点数だけでした。
上限の点数なんて決めたところで何の意味もありません。
その点数に届かない選手も同じように引かれなければいけないのですから、そこは係数で同じだけマイナスされるべきなんです。
理想は判りますが運用が出来なくてはどうにもなりません。
とはいえ、今まで野放しになっていた部分が明文化されたことで、ちゃんとしたコーチや選手なら減点されない方向に動き始めるはずです。
そうでなくちゃオリンピックは見えなくなってしまいますからね。
今までもチートジャンプについては何度も書いてきましたが、教える側は選手がどれ程嫌がっても「正しい技術」を教えるべきです。
そうでないと、こうやってルールが変わるたびに一気にトップから陥落する選手が出てくるからです。
スローで見なければわからないような些細なエラーを選手下げに利用していると非難している人もいますが、それを言ったらエッジエラーや回転不足だってスローで見なくちゃ正確には判断が出来ません。
スピンの回転だってそうです。
だからレビューをかけて確認するんです。
些細なエラーを問題にするなというなら、こういったエラーだけを問題にしてきたことに整合性がつかなくなります。
正しい技術じゃなくても見逃されるだろうという憶測で戦略を立てていると、ルールが変わると対応できなくなりますから、常日頃から楽な方法に流れず正しい技術を身につけておくのが、最終的に一番強い選手になる近道なのだと思います。
そしてまた回転不足に新しい「q」マークが考案されました。
これは前回の改定で「90度ピッタシ」も減点対象にするとしたら、90度になっていないジャンプも軒並み減点されたことで、ちょっと荒れていましたからね。
なので、そこを少し緩めもう一つ基準を増やしたのだと思います。
断言してもいいですが、機械判定を取り入れない限り、全てのジャンプでピッタリ90度を目視で判定するのは不可能です。
なのでこれも「80度くらいから100度くらいのジャンプを全部減点するのは影響が大きいから、少し余裕をみてこのくらいの範囲であれば基礎点は与えましょう」ってことなんじゃないのかな?と思うわけです。
前回の改定で「基礎点を少し増やしたから怪しい奴はきっちりとれよ」という感じで90度ピッタリの項目を変更したわけですが、点数が増えたとはいえガンガン回転不足を取られ始めてちょっとまずい方向に行っていましたからね。
ギリギリの回転不足だと見ようによっては足りているようにも見えるのに、それを2回くらい取られたら点数が一気に下がります。
それはさすがにどうなのよということで、90度ピッタシ(くらいに見える)のは基礎点を与えてGOEで判断しましょうということになったように思います。
そもそもが1つだけのカメラで正確な角度を判定するのは無理なんです。
ここは点数を複雑にしてもどうなるものでもないように思うんですが、どうなっていくでしょうね。
他にもスピンのレベル要件に「難しい出」というのが加わりましたが、これはどういうのを指すのかが全く分かりません(笑)
でも、スピナーの結弦くんなら、これを攻略するためワクワクと考えを巡らせていると思うので、どんな変化があるのか私は楽しみにするしかありません。
まだ少しのあいだ氷上練習はできないかもしれませんが、少しずつ自粛も解除されてきましたので、このルールを攻略しつつ結弦くんがどういったプログラムを作っていくか(そしてどんな衣装になるか)期待したいと思います。
それにしても、オリンピック前にここまで大きなルール変更はもうないと思っていましたが、それだけ選手の進化が早いってことなんでしょうね。
そして、どんなルール変更になっても、正しい技術を体得している結弦くんには大きな影響を与えないというのがファンにとっては安心なところです。
問題があるとしたら、いつも言う通り「ルールにジャッジがついてこれていない」という点だけでしょうか。
テクニカルジャッジの能力差もかなりあるようですし、パネルジャッジに至っては選手ですらなくてもなれたりします。
ISUの最大の問題点は、自分たちですら完全にできていると言えないルールを、誰でも読めるように公表してしまっていることです。
ルールに書いてあるのに全く違う判定を下したら、そりゃあ叩かれるのは当然ですよ(笑)
六法全書で「有罪」とかいてあるのに裁判官が「無罪」と判断したらおかしいですよね?
テレビでは判断つくエラーが、ジャッジのカメラは古いから判断つかないなんて言っていられないでしょう、そろそろ。
やる気があるのなら間違いがあった時は正さないといけませんし、間違えるのは仕方がないというのなら設備を変えるかきちんと運用できるルールにするしかありません。
前回のルール変更の時も「これ大丈夫かな?」と思ったことはほとんど大丈夫じゃなかったです(笑)
シーズンが始まってもまだ旧ルールで点数をつけていたジャッジも散見されていましたので、ジャッジの方々にも早く慣れて欲しいと思いますね。
次のオリンピックまではそれほど大きな変更がないことを祈りますが、なによりも
「オリンピックまでにきっちりとマスターして、正しいジャッジをしてね」
とお願いしたいと思います。
それ以上のことは、また正式な翻訳が上がってからということで。
以上
会社のパソコンも私のパソコンも、21インチのデカいデスクトップパソコンなので、机の上にはどちらかしか置けないんですよ
動かすのも大変ですし
いやもう、Twitterとかやった方がいいのかしらね?
というわけで、今回は新しいルールについてです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
5/11にフィギュアのルール改定が発表されました。
本来なら選手の皆さんも新しいシーズンに向けて、このルールを熟読して構想を練っていきたいところでしょうが、現状ではどうなるんでしょうね。
で、今回のルールについて思ったことを書いていきたいと思います。
まず、ちょっとびっくりしたのが4Lz、4F、4Loの点数が同じになったこと。
これは、点数を決めている人達にとって4回転というのがいかに未知のものであるかが窺い知れるエピソードですね。
今まで難易度をダブルかトリプルの感覚で決めていたため、回転が上がると難易度が変わるということが、理事たちの肌感覚で理解できていなかったんでしょう。
回転数が上がるとループはどんどん難しくなるとどの選手も言っていますので、ループの点数が上がったのは納得できます。
ルッツとフリップについては私も以前書いたことがありますが、これは本当に得手不得手の問題であってジャンプの難易度の問題じゃないんでしょうね。
それは、ループやフリップよりルッツの成功者が格段に多いことからも理解できます。
点数を同じにしたということはもう種類による点差は無くなるわけですから、これからは選手の跳びやすいジャンプに流れていくのは明白です。
ということは、2年後くらいに一番跳んでる選手が少ないジャンプが一番難しいジャンプということになるんじゃないでしょうか(笑)
点数に関していえば、結弦くんはルッツが0.5点下がってループが0.5点上がったのでプラマイゼロです。
ニュースなどでは結弦くんに有利などと書かれていましたが、決してそんなことはありません。
まあ、ルッツだけが武器だった選手はGOEの係数も下がりますからちょっとダメージがあるかもしれないですけどね。
ただ細かいことを言うなら、上で回っているルッツと下で回っているルッツでは難しさも危険度も格段に違うので、4Lz(上)は11.5点くらいでもいいと思いますけどね(笑)
4Aの基礎点については以前から低すぎると問題視はされていました。
以前は、4Lzが13.6で4Aが15点だったんですけど、結弦くんが挑戦を口にし始めたらスコーンと下げられたんですよ。
ま、これはつまり「4Aはマジでヤバイからみんな跳ばないで!」というISUの意思表示なんだと思います(笑)
それ以前にも練習で跳んでいた選手は何人かいて、その皆さんが揃って4Aの危険性を口にしていましたから、前跳びのエッジジャンプというそれでなくても危険なジャンプなのに、基礎点が高いと一発逆転の大きな武器として遮二無二入れてくる選手が増えるかもしれないということも危惧したんだと思います。
実際ルッツの成功者が多かったのは得点が高かったからかもしれませんし、高難度ジャンプで得点を稼ごうとするより完成度を上げて美しい演技をするようにというのがISUの意図するところなんでしょうしね。
でも結弦くんが4Aに挑むのは、無謀な賭けではなく「夢の実現」ですからね。
そこはもう点数なんか関係ないんだと思います。
とはいえ、アクセルマスターの結弦くんですらあれだけ苦戦している4Aですから、結弦くんが決めた後、果たして続く選手が現れるのかどうか。
結弦くんの動画を解析すれば原理はすぐ理解できるでしょうが、それをやる価値があの基礎点で感じられるかどうかが問題です。
幻の大技で終わるのか、羽生メソッドが広まって誰でも4Aを跳ぶ時代になるのか…。
今のままだと私は前者になるような気がします(笑)
あと、色々とSNSをざわつかせていたのがチートジャンプの明文化でしょうか。
まあ、「プレロテ」と「フルブレード」については私も17年くらいから定期的に書いてきましたのであまり詳しく書く気もなかったのですが、ちょっと誤解もあるようなので少しだけ書きたいと思います。
まず、チート(ズルイ、誤魔化した)ジャンプの代名詞のように言われている「プレロテ」と「フルブレード」ですが、この名前だけで「ズル!」と決めつけてしまうのは間違いです。
なぜなら、「プレローテーション」というのはジャンプを跳ぶ前の予備動作のようなものなので、プレロテをしないジャンプは基本的にはないからです。
そこにあるのはあくまで「程度の問題」です。
プレロテはどんなジャンプにも多かれ少なかれあります。
あくまで私のイメージですが、トウ系ジャンプで90度、エッジ系ジャンプで180度くらいのプレロテは普通にあり得ます。
問題は、トウ系ジャンプなのに180度もプレロテして、トゥループがアクセルみたいに前向き(トゥアクセル)になるなど「過剰な」「必要以上の」予備回転をしているのがイカンということなのです。
ただプレロテとひとくくりに言ってしまうと、必要な動きまで全部「インチキ!」と言い出す人たちが現れるので、そこはやっぱり
「必要以上の回転を氷の上で回ってから跳び上がるジャンプ」
だけがチートジャンプに当たるんだということを理解する必要があると思います。
そういったことを理解しないまま選手を貶めようとするから
「ほら!こいつだってこんなにプレロテしてるじゃない!」
と、ループの動画を上げるスカポンタンが現れたりするわけです(笑)
大学教授ですらエッジジャンプとトゥジャンプの高さを比べて一般人をミスリードしようとするわけですからね。
そこは常に「それは正しいのかな?」と一呼吸おいて確認する必要があるということです。
◆ジャンプは必ずプレロテをします。
◆回る距離はジャンプによって適正値が違います。
◆減点対象となるのは過剰に、必要以上に回っているジャンプのみです。
これだけは頭に入れておく必要があると思います。
そういう意味では結弦くんの「下で回る」というのは言い得て妙だなと感心してしまいますね。
フルブレードもやっぱり程度問題というか、考え方の問題のように思います。
以前書いた時も色々な選手のフルブレードを見たのですが、筋力の問題か、以前から女子にこれはとても多かったんですね。
そして、これは考えようによっては「ジャンプの悪い癖」で片づけられるレベルかも知れないなと、そう思う部分もあったんです。
何故かというと、大半の選手の「フルブレ」は、決してジャンプが有利にならないからなんです。
むしろかかとが落ちるのはジャンプの高さが犠牲になるんですね。
これは自分で跳んでみると一目瞭然なんですが、両足を軽く曲げて上に跳び上がろうとした時、つま先は自然と下に向くんですよ。
で、かかとを地面につけている時と同じ様に、90度に保ったまま跳び上がろうとすると、全く上に上がらないんです。
トゥでアシストするジャンプなのに、トゥの力が伝わらないんです。
つまり、上に跳ぶならエッジで跳んでは高さが出せないんです。
トゥで跳ばなきゃダメなんです。
じゃあなぜ多くの選手がフルブレードになるかというと、高く跳べないのを早く回ることでカバーしようとして、踏切り姿勢に入ると同時に肩を回し始めるため体が後ろを向いてかかとが落ちるんだと思います。
跳び上がる前に体をねじったらダメなんです。
バトン爺が「雑巾を絞るようなジャンプ」と言っていましたが、体をねじって斜め後方に意識を向けると、意図しなくてもブレードは下がってしまいまうんだと思います。
これもズルというより「稚拙な踏切り」なだけです。
なので私は長い間「ここはGOEで差別化すべき」と書いてきました。
「稚拙な踏切り」は-2~-3のマイナスなのですが、ISUは何故かそこは今まで目をつぶっていたんですよね。
ここ数年、明らかに踏切でトゥではなくエッジをつけそのままぐるっと回転し、ほぼ1回転してから上に跳び上がる選手が増えてきました。
トゥを突いたのちかかとが落ちてしまうのではなく、最初からエッジを寝かせるように氷につけ、そのまま回転するのです。
女子選手のフルブレとは明らかに違う形態の違うフルブレードですが、離氷についてはノーマルスピードでしか見ないジャッジは長くこれに触れてきませんでした。
そして、それが減点されるどころか加点が付くことが分かってきたためか、高難度ジャンプを同じように「突いたトゥをぐるっと回して飛び上がるジャンプ」が急増してきました。
これはハビが「着氷を厳しく取り締まるなら離氷も見ろよ」と言ったことからも分かるように、選手達の間でも問題視する流れはあったのだと思います。
それにやっと手が付けられたという感じでしょうか。
最近では最初から下回りを教えるコーチも現れたという話ですし、ISUとしてもこれは流石に看過できなくなったのかもしれません。
ただ、これをどのように点数に反映させるのか、私はまだ楽観視はしていません。
何故なら、「稚拙な踏切り」はマイナスするという項目があったにもかかわらず長年それを取り上げてこなかったジャッジ達が、何をもって判断し点数に落とし込むのかが不明なのです。
両足着氷でも回転不足でも見逃してしまうパネルジャッジに、離氷は判断できません。
そうなるとテクニカルで判断するしかありませんが、ジャンプにマークもつかないならそれをパネルジャッジに伝える術はありません。
これはどうやってチートジャンプの減点をしていくのか、運用を見ていかなければ何とも判断することはできません。
シリアスエラーもそうですけど、その点数に該当するのは結弦くんだけで、ほかの選手はそこまでの点数に到達していないのだから上限の点数を決めることに意味はあるのか?と疑問に思っていたら、やっぱりシリアスエラーを取られていると判断できたのは結弦くんの点数だけでした。
上限の点数なんて決めたところで何の意味もありません。
その点数に届かない選手も同じように引かれなければいけないのですから、そこは係数で同じだけマイナスされるべきなんです。
理想は判りますが運用が出来なくてはどうにもなりません。
とはいえ、今まで野放しになっていた部分が明文化されたことで、ちゃんとしたコーチや選手なら減点されない方向に動き始めるはずです。
そうでなくちゃオリンピックは見えなくなってしまいますからね。
今までもチートジャンプについては何度も書いてきましたが、教える側は選手がどれ程嫌がっても「正しい技術」を教えるべきです。
そうでないと、こうやってルールが変わるたびに一気にトップから陥落する選手が出てくるからです。
スローで見なければわからないような些細なエラーを選手下げに利用していると非難している人もいますが、それを言ったらエッジエラーや回転不足だってスローで見なくちゃ正確には判断が出来ません。
スピンの回転だってそうです。
だからレビューをかけて確認するんです。
些細なエラーを問題にするなというなら、こういったエラーだけを問題にしてきたことに整合性がつかなくなります。
正しい技術じゃなくても見逃されるだろうという憶測で戦略を立てていると、ルールが変わると対応できなくなりますから、常日頃から楽な方法に流れず正しい技術を身につけておくのが、最終的に一番強い選手になる近道なのだと思います。
そしてまた回転不足に新しい「q」マークが考案されました。
これは前回の改定で「90度ピッタシ」も減点対象にするとしたら、90度になっていないジャンプも軒並み減点されたことで、ちょっと荒れていましたからね。
なので、そこを少し緩めもう一つ基準を増やしたのだと思います。
断言してもいいですが、機械判定を取り入れない限り、全てのジャンプでピッタリ90度を目視で判定するのは不可能です。
なのでこれも「80度くらいから100度くらいのジャンプを全部減点するのは影響が大きいから、少し余裕をみてこのくらいの範囲であれば基礎点は与えましょう」ってことなんじゃないのかな?と思うわけです。
前回の改定で「基礎点を少し増やしたから怪しい奴はきっちりとれよ」という感じで90度ピッタリの項目を変更したわけですが、点数が増えたとはいえガンガン回転不足を取られ始めてちょっとまずい方向に行っていましたからね。
ギリギリの回転不足だと見ようによっては足りているようにも見えるのに、それを2回くらい取られたら点数が一気に下がります。
それはさすがにどうなのよということで、90度ピッタシ(くらいに見える)のは基礎点を与えてGOEで判断しましょうということになったように思います。
そもそもが1つだけのカメラで正確な角度を判定するのは無理なんです。
ここは点数を複雑にしてもどうなるものでもないように思うんですが、どうなっていくでしょうね。
他にもスピンのレベル要件に「難しい出」というのが加わりましたが、これはどういうのを指すのかが全く分かりません(笑)
でも、スピナーの結弦くんなら、これを攻略するためワクワクと考えを巡らせていると思うので、どんな変化があるのか私は楽しみにするしかありません。
まだ少しのあいだ氷上練習はできないかもしれませんが、少しずつ自粛も解除されてきましたので、このルールを攻略しつつ結弦くんがどういったプログラムを作っていくか(そしてどんな衣装になるか)期待したいと思います。
それにしても、オリンピック前にここまで大きなルール変更はもうないと思っていましたが、それだけ選手の進化が早いってことなんでしょうね。
そして、どんなルール変更になっても、正しい技術を体得している結弦くんには大きな影響を与えないというのがファンにとっては安心なところです。
問題があるとしたら、いつも言う通り「ルールにジャッジがついてこれていない」という点だけでしょうか。
テクニカルジャッジの能力差もかなりあるようですし、パネルジャッジに至っては選手ですらなくてもなれたりします。
ISUの最大の問題点は、自分たちですら完全にできていると言えないルールを、誰でも読めるように公表してしまっていることです。
ルールに書いてあるのに全く違う判定を下したら、そりゃあ叩かれるのは当然ですよ(笑)
六法全書で「有罪」とかいてあるのに裁判官が「無罪」と判断したらおかしいですよね?
テレビでは判断つくエラーが、ジャッジのカメラは古いから判断つかないなんて言っていられないでしょう、そろそろ。
やる気があるのなら間違いがあった時は正さないといけませんし、間違えるのは仕方がないというのなら設備を変えるかきちんと運用できるルールにするしかありません。
前回のルール変更の時も「これ大丈夫かな?」と思ったことはほとんど大丈夫じゃなかったです(笑)
シーズンが始まってもまだ旧ルールで点数をつけていたジャッジも散見されていましたので、ジャッジの方々にも早く慣れて欲しいと思いますね。
次のオリンピックまではそれほど大きな変更がないことを祈りますが、なによりも
「オリンピックまでにきっちりとマスターして、正しいジャッジをしてね」
とお願いしたいと思います。
それ以上のことは、また正式な翻訳が上がってからということで。
以上